Overleafで電気学会論文誌のテンプレを使う方法

1. Overleafとは

Overleaf(https://ja.overleaf.com/)とはオンライン上のLaTeX原稿執筆環境です。ローカルにTeXの編集環境を構築せずに済む上,どんな端末からでもブラウザのみでLaTeX原稿を執筆できる優れものです。
ただ,Overleafのデフォルトの設定では,すぐに日本語の文章を扱うことができません。コンパイルしてもエラーを返されてしまいます。ここでは,以下の偉大なる先人の記事を参考に電気学会論文誌のテンプレを使うための設定方法を説明します。

doratex.hatenablog.jp


2. テンプレートファイルの作成

手順1:論文テンプレートのダウンロード

電気学会のWebサイトから論文誌のテンプレートをダウンロードしてください。以下のページの末尾にテンプレートが入ったzipファイルへのリンクがあります。
https://www.iee.jp/pub/post/

手順2:Overleaf上でテンプレートファイルの作成

テンプレートのtexファイル,clsファイルをOverleaf上に作成しましょう。ファイルをアップロードすることも可能なのですが,エンコーダの関係で文字化けしてしまうので新規作成してコピペするのが早いかと思います。

まずは,Overleaf上で新規プロジェクトを作成します。空のオブジェクトを作成し,適当な名前を付けます。

左上のタブにある「新規ファイル」を選択し,作成するtex・clsファイルの名前を入力します。

Sourceにテンプレートファイルのコードをコピー・アンド・ペーストしていきます。

手順3:日本語が使用できる設定に変更

まず,左上のメニューボタンからコンパイラをデフォルトの「pdfLaTeX」から「LaTeX」に変更します。

次に,主要文書を「template.tex」に変更してください

最後にlatexmkrcを作成します。「新規ファイル」を作成し,latexmkrcを作成してください(拡張子は不要!)。作成したら,以下のコードを入力してください。

$latex = 'platex';
$bibtex = 'pbibtex';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex %O -o %D %S';
$pdf_mode = 3;

手順4:試しにアウトプットしてみる

設定変更した結果を確認してみましょう。電気学会の論文テンプレートファイル一式の中に「readme.tex」というテンプレートのコードの仕様について説明しているファイルがあります。ちょうどいいのでこれをコンパイルして出力します。

コンパイルは中央上部にある「再編集」をクリックすればできます。画面左のコードの内容を実行した結果が,画面右に出力されます。無事に日本語表示された原稿が出力されたら設定完了です。

「再編集」の右にあるボタンの中から「PDFをダウンロード」を選択すると,出力結果をPDFファイルとして保存することができます。

3. さいごに

Overleaf便利なのでみなさん使ってみてください。
IEEEさんや情報処理学会さんはOverleaf用の論文テンプレートをOverleaf上で公開しているので,電気学会さんも追随してもらえると捗るなーと思ったり思わなかったりします。